2008年2月5日火曜日

介護の現場から~ **遠隔介護のその後**

2008年2月6日  Hiro


2006年4月、東京から両親の住む関西に転居しました。 特に介護のためと言う訳ではありませんが、「今後 自分自身の人生を何処で過ごすか」と自問自答し、やはり人生の終わりに近い生活を送っている両親の近所に住むのがいいだろう との判断をしました。転居にあたって一番考慮したのは、両親の経緯と状況から、それを自分の人生の先行指標とすることでした。


すなわち、



 1.人生を現在の平均寿命以上としてあと20-30年のライフプランをもつこと。


 2.その間の自分達の人生を大切に考えること、すなわち   QOL (http://sociosys.mri.co.jp/keywords/049.html) の充実第1とすること。


 3.将来、特養ホームや有料老人ホームの厄介になることも考えながら、
   自分で早めはやめに手を打つこと。
あくまで自分達の残りの人生を人に任せてしまうのではなく、常に自分の掌中で管理、運営が出来るように考えておくことでした。両親と私にとって東京からの、遠隔介護時代は終わりましたが、車で30分程度に近くなった両親との生活は東京時代と同じような形で続いています。


その生活を、綴ることによって、介護の現場からの情報をまとめておきたいと思います。

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一時は寝たきりで、意識も無くほとんど植物状態だった父も、老健でのリハビリによって車椅子での生活が出来るまでに回復し、特養ホームにも入居できて一安心。

それから2年、車椅子にも慣れて自由に動き回っています。 年齢89歳、やはり日に日に体力は衰えており、時々意識レベルが落ちることがあります。そんな時は私やホームの職員の人でも認識が出来ません。 意識レベルが高いと(元気だと)ジョークを言うと笑いますし、楽しそうです。


しかし、少し前まで、認知症の影響で時々あらぬことを言い出して、それを紙に書いてホームの壁に張り出すなどの行為がよくありましたが、今はそのような行為も出来なくなっています。



目が良く見えないというので、きっと老眼鏡の度が合わないのだろうと、強い度の眼鏡を試しても状況は変わらない。 ひょっとして、白内障の疑いがあるのではと、ホームの人にお願いして、近所の眼科で見てもらったところ、立派な(?)白内障とのこと。



手術をして見えるようになれば、視覚からの刺激で、意識レベルの低下も防げるのではないかと考え、総合病院にて手術の検査を受けました。 ところがベッドが空かないので半年も待たねばなりません、3月の初めに予約が取れました。





眼科医に行くと目の検査を行いますが、それら検査用具は車椅子や高齢者を想定してデザインされておりません。 車椅子ではかなり厳しい姿勢を取らされますので、介助者も大変ですし、何より検査を受ける高齢者には大変負担になります。



これからの高齢者社会におけるバリアフリーの実態は、実はこんなところにもあるのですね。



また入院の説明を聞いていると、高齢者の介護は病院では十分しきれないので、家族がずっとついていて欲しいといわれました。 両眼を一度に手術はできないので、片目づつやります、片目が見えるようになるのに1週間、両眼で2週間の入院が必要です。 その間、家族が付き添うのは容易ではありません。 高齢者が安心して入院できる施設も足りない状態のようです。

2 件のコメント:

ガーネット さんのコメント...

一般の病棟では医療保険のみで介護保険が使えないのが難点ですね。
看護師さんが行えるのは医療行為に関する患者さんのケアー(例えば排泄、排尿の手伝い、食事の介助等)だけですからね。ましてや眼科となれば、もっと看護師さんは不慣れでしょうね。病院内でも、介護保険による
ヘルパーさんの派遣が出来るようになれば
家族の負担は少なくなるのに・・・・。と考えてしまいますよね。

ガーネット さんのコメント...

投稿にあるphotoを拡大してみました。
マンションから見える風景でしょうか。港の
前にはヨットハーバーがあり、素晴らしい環境ですね。私も海が好きでよく江ノ島に行きますが、港を見下ろす風景はまた格別ですね。