2008年2月14日木曜日

セカンドオピニオンは本当に機能しているか

セカンドオピニオンとは、現在の病状に対する診断や治療方針について主治医(担当医)以外の、主に他の医療機関の医師に意見や判断を聞くことです。
セカンドオピニオンを申し込むに当っては、主治医にその旨を伝え、紹介状や検査資料の提供をお願いしなければなりません。主治医に内緒で・・・・・という訳にはいきません。患者側からするとセカンドオピニオンを申し込むのは「主治医を信用していないのでは」「今後主治医との関係が気まずくなるのでは」との配慮が働き、どうしても躊躇しがちですが遠慮はいりません。誰のためでもなく、何より自分のためだからです。

私は一昨年、人間ドックで腎臓の上に病変がある旨指摘され専門医(A病院)を受診しました。CTや MRIの検査をした結果、病変は認められるものの何の病名かは明らかにされず、主治医は「はっきり
わからない」「めずらしい症例だ」「はじめただ」と言い、「悪性だといけないので、すぐ手術をした方がよい」「手術は開腹でメスを入れる大きさは20~30cm」「入院期間は概ね10日間」と言い、急がないといけないとばかりに、手際よくその日に入院予約をしてしまいました。
家に帰り一晩考えてみると、「ちょっと待てよ」、病名が明らかでないのに手術とは、しかも腹を切るとは・・・・・。病名が明らかになり、その上で治療方針が出てくるのではないのか、と。「慌てることはない」
と思い、ここからセカンドオピニオンが始まりました。

最初に訪れたのがB病院。外来の受付で紹介状とCT画像を渡す。順番が来て診察室に入ると、医師が画像を見ながら「A病院の言うとおり手術した方がいいよ」と一言。「A病院にはその旨返事を書いて
郵送しておくよ」で終わり。何のためのセカンドオピニオンなのか。私が知りたいのは病名と治療方針が適切であるかどうかなのに・・・・・。あまりにもあっけないので、こちらから質問すると、「疑わしきものは取るに越したことはないよ」。結局は病名は明らかにされないまま終わりました。

納得がいかないので、次にC病院に行きました。やはり画像を見て、「これは副腎がんの疑いがあるよ、でも画像診断で優秀な技師がいるので聞いておくから3日後に来なさい」と。3日後に行くと「これは
後腹膜腫瘍で3ヶ月後にCTを撮って経過を見ましょう」ということになりました。ここの病院では自分で
判断しかねる時は他の医師(技師)に聞く姿勢が窺われ、B病院よりましかな、と思いました。

少し病名が見えてきたのかな、と思いながら次はD病院へ。セカンドオピニオンならぬフォースオピニオンとなりました。この病院は一発で「これは後腹膜腫瘍ですね。もう少し詳しく言うと、神経腫腫。何が原因で発症するかは明らかにされていない」と言いながら、ペーパーに図を描いて説明してくれました。
次が治療方針である。まず、一般論として化学療法の適否が説明され本ケースの場合、手術と経過観察の2通りを示され、いづれにもメリットとデメリットがあることが話されました。
どこの病院でもそうですが、最後の判断は患者自身が行うことです。いづれを選んでも、それは患者の自己責任ということになります。私は経過観察の道を選びました。

この結果を踏まえ、最初のA病院に手術入院の取り消しに行きました。主治医から「手術が怖いのか」
「僕は手術をしないことの方が怖いけどね」「あとで後悔しないですね」と念を押され、そのやりとりの
一部始終をカルテに記入していました。恐らく、患者が手術を断ったという記録を残しておきたかったのでしょう。ここでお断りしたいのは、病院がどうのこうのと言うより、医師によって対応の仕方が違うな、
ということです。よく聞く言葉に「患者と医師には相性がある」ということでしょうか。

フォースオピニオンの結果、私はD病院をかかりつけの病院に選び、以後半年毎にCT、尿、血液、腫瘍マーカーの検査を行い、経過観察中です。幸い今のところ、その後の異変は見られずに推移しています。

ここで私の体験から言いたいことは、セカンドオピニオンとは一体何なのか、名ばかりではないのか、
ということです。実際に異なる判断や治療方針を出すのは医師として相当自信がないと言えないのかも知れない。同じ医師という立場から、前に診察した医師のプライドを傷つけまいと思うのかも知れない。
「同意見」としておけば、どう転んでも無難、と考えているのかも知れない。煩わしいことに首を突っ込みたくない、と考えているのかも知れない。
しかし、そうであればセカンドオピニオンは育たないし、看板倒れに終わってしまう。最近では病院の案内ボードにも「セカンドオピニオンは患者の当然の権利です」と書かれているのだが。もう少し運用の実体を医療従事者は知って欲しいと思います。

2 件のコメント:

ガーネット さんのコメント...

2年半前の日経新聞に「診療に疑問56%」という見出しでアンケート調査が載っていました。それによると、「医師に告げずに、別の医療機関で診断を受け直す」が56.4% 「検査記録や紹介状をもらい別の医療機関の意見も参考にする」が僅か6.3%でした。
まだまだセカンドオピニオンが定着していない証ですね。

Hiro さんのコメント...

最近、医者の経験度、レベルについて同様の思いをしています。
たいしたことのない病状なら、またどちらでも良いかと思いますが、命に関わる症状なら本当に納得の行くまで医者を選ぶべきですよね。 私の友達で、南海の島にてマラリアに感染して、県の病院に行きマラリアの可能性が大であると告げたところ、笑われて、風邪薬を投与しようとしたそうです。
危ないと思い、東京の伝染病専門病院へ行ったところ、直ちに入院になり、命を取り留めたケースがあります。
こんな場合はいい加減なことを言う医者の名前を公表しても良いのではないかと、憤りを感じます。